子どもが勉強を始めたと思ったらいつのまにかYouTubeを見たりスマホをいじっている…。
ついつい、「何してるの!勉強はどうしたの!?」と言いたくなるものです。
長時間やり続けることが本当に効果的なのでしょうか。
集中力自体、それぞれに差があるものです。
最適な「勉強と休憩のバランス」をめぐる代表的な考え方として、ポモドーロ・テクニック(Pomodoro Technique)や60〜90分集中法などがあります。
結論から言えば、「25分〜50分程度の集中タイム」と「5〜10分程度の休憩タイム」を交互に挟むスタイルが、多くの人にとって学習効率を高めると考えられています。
ただし、個人差や学習内容によって微調整が必要になるため、以下のポイントを参考に、自分に合ったバランスを見つけるのが理想的です。
1. 代表的な方法
(1)ポモドーロ・テクニック
- 概要: 「25分集中 + 5分休憩」を1サイクル(ポモドーロ)とし、3〜4サイクルごとに長め(15〜20分)の休憩をはさむ手法。
- 理由: 25分という短めの集中時間が「人間の集中力の持続時間」とマッチしやすく、モチベーションを落とさずに繰り返せるという考え。
(2)60〜90分集中法
- 概要: 60〜90分程度のまとまった学習をし、10〜15分程度休憩をとる方法。
- 理由: 人間は約90分周期の「ウルトラディアンリズム」で集中力が変化し、1時間程度の集中後に適度な休憩をとるのが脳科学的にも効率的とされる。
2. 休憩を挟むメリット
- 疲労の蓄積を防ぎ、集中力をリセットする
長時間休みなく勉強を続けると、脳の認知資源が徐々に消耗し、学習効率が下がります。短い休憩でも脳を「オフ」にする時間を作ることで、集中力を回復できる。 - こまめな達成感・モチベーション維持
「25分(または50分)頑張ったら休憩できる」という区切りがあることで、勉強を継続するモチベーションが高まりやすい。休憩後に「あと1サイクルだけ頑張ろう」と思える心理的効果も大きい。 - 脳の整理時間
勉強中にインプットした情報は、休憩中に脳が処理・整理するといわれています。休憩によって記憶定着が促される効果も期待できます。
3. 自分に合った時間配分の見つけ方
- 集中できる時間をテストしてみる
- 実際にタイマーをセットし、「25分」と「50分」を試して比較する。
- 「25分だと物足りない」「50分だと息切れする」という感覚をもとに、最適な集中タイムを調整。
- 休憩中の過ごし方を意識する
- 5〜10分の休憩でスマホゲームやSNSを見すぎると、逆に脳が疲れることも。
- 簡単なストレッチや、窓を開けて深呼吸、軽く歩くなど、身体をリフレッシュさせる行動がおすすめ。
- 学習内容や難易度によって調整
- 暗記中心なら短いサイクルで小まめに復習と定着を図るのが◎。
- 思考系や読解系の場合は、ある程度まとまった時間(50〜90分)が必要なことも。
4. 実践例
- (例1)25分集中 + 5分休憩 × 4サイクル → 15分休憩
- サイクル1〜4の間は短い休憩でリズムを維持し、4サイクル後に長めの休憩で頭をリフレッシュ。
- ポモドーロ・テクニックの王道パターン。
- (例2)50分集中 + 10分休憩
- 1サイクルあたりの集中が少し長め。1日の学習目安を3〜4サイクルに分割する。
- 大学生や社会人が仕事・勉強を両立する場合に取り入れやすい。
5. まとめ: 「自分に最適なバランス」を探すのが肝心
「25分+5分が正解」「60分+10分がベスト」などの一般論はありますが、本当に重要なのは「自分の集中力が持続する最適な時間」を見つけることです。人によって20分で息切れする人もいれば、1時間連続で没頭できる人もいますし、学習科目や難易度によって適切なバランスは変動します。
また、短い休憩中の過ごし方によって、学習効率は大きく変わる点にも注意が必要です。頭をリセットするためのストレッチや瞑想、深呼吸などは脳を回復させますが、SNSを延々スクロールしてしまうと、逆に目や脳が疲れてしまい、本末転倒になりかねません。
デジタル時代だからこそ、「アプリでタイマーをセット」「集中モードで通知を切る」「休憩時間に軽くスマホを眺める場合もあるが、時間を限定する」など、テクノロジーを活用しつつ、自分なりの集中・休憩リズムを作る工夫ができます。ぜひ、今の学習スタイルを見直し、小さな実験を重ねながら“最適な勉強と休憩の繰り返し”を見つけてみてください。
「学習効率を高めたい」「勉強が長続きしない」「集中力に悩んでいる」といった方は、この休憩と集中のバランスを意識するだけでも成果が変わるはずです。習慣化さえしてしまえば、勉強が“つらい作業”から“しっかり取り組み、しっかり休むメリハリ”をもった時間に変わり、結果的に知識の定着やパフォーマンス向上にもつながるでしょう。自分に合ったリズムを確立すれば、勉強がいつの間にか「もっとやりたい」と思える楽しい習慣になるかもしれません。