数学が苦手な子と得意な子の違い

自習をする生徒

数学が苦手な子どもと得意な子どもの違いは、単に能力の差というよりも、学び方や数学に対する態度、経験による違いに起因することが多いと感じています。以下に具体的な違いをいくつか挙げていきます。


1. 基礎概念の理解

  • 苦手な子ども:
    • 基本的な計算や概念が曖昧なまま進級していることがあります。
       →垂直科目である数学の基礎部分を補強せずに先に進んでいくので進級すればするほど苦手になっていきます。
    • 「なぜそうなるのか」を理解せずに暗記に頼るため、応用問題で混乱しやすいです。
       →仮にロジックが理解できなくても何度も繰り返すことでカバーできるのですが、苦手なものをなん度も繰り返すこと自体が苦痛であるため、継続しての実践が難しくなります。
  • 得意な子ども:
    • 数学の基礎概念(足し算・引き算、分数、比例など)をしっかり理解しています。
       →途中で壁にぶつかっても基本的な問題を解くための道具を持っている状態なので克服しやすい。
    • 「ルール」を理屈として把握しているため、新しい内容にも柔軟に対応できます。
       →この状態であれば解けない問題が出てきても「理屈を理解しようとする」状態になっているため、やればできるようになる。ということ自体を自然と自分自身でわかっています。

2. 問題に対するアプローチ

  • 苦手な子ども:
    • 問題を見ると、すぐに「わからない」と感じて手を止めてしまう傾向があります。
      →できない=ダメ だと結びつけている状態です。
    • 解き方を一つだけ覚えており、それが通用しないとパニックになることがあります。
      →「だから数学は嫌いなんだ」という状態に移りやすいですが、別の解き方も記憶してみて、その後は理屈の理解に進んでいけば乗り越えやすいです。
  • 得意な子ども:
    • 問題を分解して考えたり、複数の方法を試して解くアプローチを自然と身につけています。
    • 間違いを分析し、次に活かす力があるため、問題解決力が高いです。

3. 数学に対する感情や態度

  • 苦手な子ども:
    • 数学に苦手意識があるため、「どうせできない」とネガティブな感情が先行します。
      →このまま進まず、解ける問題まで巻き戻してそこから少しずつ進めば大丈夫。そういう学習環境を用意してあげることが大切です。
    • 解けない問題があると「自分には無理だ」と思い、やる気を失いやすいです。
  • 得意な子ども:
    • 数学をゲーム感覚で楽しんだり、「挑戦するのが面白い」と感じるポジティブな態度があります。
    • 問題を解く過程にやりがいを感じていることが多いです。

4. 学習環境やサポート

  • 苦手な子ども:
    • 過去に「できなかった」という経験が多いと、自己効力感が低下している可能性があります。
    • 学校や学習環境が不十分だと、苦手意識を克服しにくくなります。
  • 得意な子ども:
    • 家庭や学校で前向きなサポートを受け、適切なフィードバックを得ている場合が多いです。
    • 数学に触れる機会が多く、学びの楽しさを実感していることが多いです。

5. ミスの捉え方

  • 苦手な子ども:
    • ミスを「失敗」と捉え、自信を失ってしまうことがあります。
    • ミスを修正する機会を逃してしまう場合があります。
  • 得意な子ども:
    • ミスを「学びのチャンス」として活かし、自分で原因を探りながら改善します。
    • ミスから新しい方法や視点を得ることで、さらにスキルを伸ばします。

6. 抽象的思考の発達度合い

  • 苦手な子ども:
    • 抽象的な考え方(数式や図形の意味を理解する力)が発展途上のことが多いです。
    • 実生活との結びつきが見えないため、数学が「遠いもの」に感じられます。
      →頭の中で図形を回転させたり拡大縮小するのが苦手な場合もあります。
       その子が具体的にイメージしやすいもので説明をすると理解しやすいです。
       手間がかかりますが、ハサミで工作しながらやってみたり、好きなゲームの内容を使って説明したりするとまずは興味を持つきっかけになります。
  • 得意な子ども:
    • 数式や図形をイメージしやすく、問題の背景を直感的に理解できることが多いです。
    • 実生活の中で数学を応用する感覚が身についています。

克服のポイント

  • 苦手な子どもに対しては、基礎概念の復習や実生活に基づいた問題を用いて、「できる!」という成功体験を積ませることが重要です。
    →本当の問題は「目の前の問題ではない」場合が殆どです。その状態で答えややり方を暗記してもその先が苦しくなります。苦しいのを承知ですべて暗記してしまうという荒技もありますが、、、汗
  • また、得意な子どもには新しい挑戦やレベルの高い問題を与え、興味を継続させることが必要です。

苦手意識は経験とアプローチ次第で克服できますので、適切な支援と環境作りがカギとなります。

スマイルコードでは数学に特化した学習塾のコースは現在ございませんが、問題解決に役立つスキル。例えば…

①思考体力を身に付ける
 すんなり解けない問題に対して、ゲームや遊び感覚で何度も取り組めるので自然と思考体力が身に付きます。

②論理的思考力を身に付ける
 単純にプログラミングをする授業だけではなく、ディスカッションや会話を通してパズルを組み立てるように全体の形を捉えるトレーニングを積むことで、制作物やコミュニケーションにもある程度の完成図がありそれを相手に受け渡している。というイメージを持てるようにトレーニングを積みます。相手に伝わらないという事は、必要なピースが欠けていてそれが何かをイメージしやすくなります。

③とにかく「楽しい」という時間を土台にトレーニングをする
 いくらスキルアップが見込めるカリキュラムであっても「つまらない」「息苦しい」という時間の中では記憶に定着させることは難しいと考えています。特に幼年期〜小学生〜中学校くらいまでは詰め込み式の授業よりも本人がある程度自由に組み立てられる余白を作ることで伸び伸びと学べる時間が大切であると考えています。

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