子どものわがままと親や先生の感情についての考察
「わがままは子どものSOS。」
子どもがわがままを言うとき、親はその瞬間だけを見て「甘えている」「泣くことで願望を満たそうとしている」と感じてしまうことがあります。しかし、子どものわがままの裏には、「もっと自分を見てほしい」「わかってほしい」「助けてほしい」という声が隠れていることが少なくありません。
我々の教室においてもさまざまな性格の子ども達と接してきました。
今、冷静に思い返すと、同じようなわがままでも、心に余裕があるときには笑顔で対応できたりします。
同じ局面で同じようにわがままを通そうとされた場合、その日の精神状況によっては、親心でつい厳しくしてしまった経験はないでしょうか。
厳しくしてしまう原因は、わがままを言う子どもではなく、我々大人自身の心の状態にある場合が多いのです。
子どものわがままに向き合うための心構え
- 「わがままは心の成長のサイン。」
幼い子どもが自分の気持ちを言葉や行動で表現するのは、自己主張の練習でもあります。「どうして今こう言ったのかな?」と考えることで、気持ちの背景に気づけるかもしれません。ただあまり毎回理論的に説きすぎると「面倒くさい」「難しい話は聞きたくない」とかえって向き合うことを拒否する傾向も現れてきます。 - 「厳しさの矛先を変える。」
わがままを許すことと甘やかすことは違います。厳しさを「ルール」や「思いやりを教える」方向に向けると、子どもの成長を促すことができます。新米のインストラクターが子どもと接する時、「この先生はどの程度のわがままなら聞いてもらえるか」を探られることもしばしば。毎回締め付けても息苦しくなりますので、時には「よし!今日は一緒にマイクラで◯◯を作ろう!」と先生側から誘ってみるのも良いことだと思います。「教える」という事に注力しすぎると「教えられる側」からするとかえって指示を聞かなくなることもあります。30分だらだらとすごすよりは5分10分全力で取り組んで10分休憩、もう一回短時間全力で取り組む。というマイクロブレイクを取り入れると飽きずに長時間取り組めるようになります。 - 「わがままはコミュニケーションのきっかけ。」
わがままを言うのは、親や先生が聞いてくれる安心感があるからこそ。これを「今の自分の状態」を見直すサインとして受け取ると、対応の仕方も変わるはずです。
わがままを通じて築く絆
わがままは親や先生にとって試練のように感じる瞬間もありますが、見方を変えれば、それは子どもが親や先生と向き合いたいと思っている証です。(だと思うようにしています笑)
「厳しさを愛情に変えると、子どもの心はより自由になる。」
子どもの気持ちに寄り添いながら、親自身の感情も丁寧に扱うことで、親子の関係は深まり、互いに成長できる時間となるでしょう。
とはいえ、時には言い過ぎてしまうこともあるでしょう。その時は「ちょっと言い方が悪かったね、ごめんね」と心を込めて伝えれば、驚くほど素直に許してくれるのは子どもの寛容さです。
「ああ、子どもから学ばせてもらったんだな。」と親や先生も素直に受け止めていくこともコミュニケーションのトレーニングになるのではないでしょうか。
そんな時は「ありがとう」も忘れずに伝えましょう!