テクノロジーに振り回されないための8つの原則――Robbins氏の視点から

テクノロジーを使いこなす若い男

デジタルが発展した現代社会を生きる我々は様々シーンでテクノロジーの恩恵を受けています。
生産性を上げることもできれば、逆に生産性を損なう場合もあります。

その辺りのメリットデメリットを受け入れつつ、上手に向き合っていくためにはどうしたらいいか。

今回はそのあたりを掘り下げてみたいと思います。

1:テクノロジーは魅力的だが解決策ではない

多くの人が「テクノロジーが生産性を上げてくれる」と考えますが、Robbins氏によれば必ずしもそうではありません。シリコンバレーのビジネスモデルはユーザーを「テクノロジー中毒」にすることで利益を得ており、“ツール”ではなく“オモチャ”としてのスマホ機能を次々と提供しています。

  • SNSや動画サービスに長時間釘付けになる結果、本来やるべき作業や創造性が中断される
  • スマートフォンのマルチタスク機能が、SNS・学習・仕事連絡など異なるタスクを混在させ、集中を妨げる

ポイント

テクノロジーに依存しすぎず、「何のために使うか」を自覚しないと、かえって生産性を落とすことになりかねないというわけです。


2:生産性は個人の問題だけではない

個人がどれだけ優秀でも、組織やチーム全体で仕事を進める上では周囲のペースや連携が大切。自分が高速でタスクをこなせるとしても、

  1. 他のメンバーへ引き継ぐタイミング
  2. 組織の腐敗・不正
    などの要因で成果が阻まれることもあります。

提案

  • 仕事全体の流れを見極め、ボトルネックはどこにあるのかを把握する
  • 組織自体が倫理的に問題ある場合は、身を引く判断も視野に入れる

3:休息は大切

「休む時間が全くないほど仕事に追われているときは、余計なタスクを抱えすぎている」とRobbins氏は主張しています。ゆっくり思考する時間や学習の時間を取れない状況は、長い目で見て好ましくありません。

  • 休息中はスマホやPCから離れ、紙と鉛筆で自由に落書きするなど、頭をリフレッシュさせる方法を推奨

ポイント

余裕がないほど働くのは逆にパフォーマンスを下げる可能性があり、“休む力”も生産性の一部だという視点が必要です。


4:生産性は目に見えにくい

休憩している人を見て、「仕事サボってる!」と決めつけがちですが、実は圧倒的なスピードでタスクを終わらせている可能性もあります。

  • 生産性を高めた人が早く帰れるようになるには、周囲に「どれだけの成果を出しているか」を可視化する手間が必要
  • さもなくば、せっかくの生産性向上が評価されず、仕事量だけ増やされてしまうケースも

提案

生産性をデータ化(タスク管理ツールや進捗報告)し、自分の仕事量・スピードを周囲にわかりやすく提示すると、正当な扱いを受けやすい。


5:「なぜ?」と問うことが大事

目標達成のために効率化に執心しすぎると、本来の目的から逸脱するリスクがあります。Robbins氏は「時々手を止め、これをやる“理由”を確認しよう」と提案。

  • 価値のない仕事に気づいたら思い切ってやめる
  • 「意味のないことを生産的に行うより、意味のあることを非生産的に行う方が優れている」という考え方が重要

6:何を最適化すべきかを考える

タスクを効率化する際、「本当に最適化すべき対象はどこか?」を吟味する必要がある。例えばメール分類を整理しても、生産性向上が微々たるものなら意味が薄い。

  • コンピューター業務なら、画面上の資料を高速で読める工夫やタイピング速度の向上こそが大きな効果をもたらす可能性が高い
  • 無闇にツールを導入する前に、何が本質的にボトルネックかを見極める

7:効率化ツールが本当に有用かを見極める

世の中には生産性を上げると称するツールがあふれていますが、自分や自社の業務に合わない可能性もあるため、導入後に「どれだけ生産性が上がったのか」を測定すべきだとRobbins氏は強調。

  • 新しいツールがかえって使いこなせず混乱を招く例もある
  • 本当に効果が出ているか、客観的なデータでチェックする

8:テクノロジーは人を脆弱にしてしまう

テクノロジーは一度使い始めると依存度が増し、壊れたときやサービス停止時に無力になるリスクも。Robbins氏自身もスマホが壊れた2日間、顧客との連絡が取れなくなり大きな支障をきたした例を挙げています。

  • デバイスやネットサービスへの過信を避け、バックアップや代替手段を常に考えておく

まとめ:テクノロジーを使いこなすための8原則を意識しよう

  1. テクノロジーは解決策ではなくツール
  2. 生産性は個人だけでなく組織全体の問題
  3. 休息を取らないと長期的にパフォーマンスは下がる
  4. 生産性は目に見えない→可視化を工夫
  5. 「なぜ?」を問い続け、目的を見失わない
  6. 最適化すべきターゲットを間違えない
  7. ツール導入の効果を必ず検証する
  8. テクノロジーへの依存リスクを考慮する

Robbins氏のこれらの提言は、日常の業務や生活スタイルを見直す際の良いヒントになります。スマホやPCが当たり前になった現代だからこそ、テクノロジーに振り回されず本当に必要なことを見極める意識が大切といえそうです。