はじめに:ゲーム=悪、のイメージは本当か?
「ゲームばかりしてると頭が悪くなる」「勉強しないでゲームしてるなんて…」という声は昔からあります。実際、「ゲームに熱中しすぎて宿題が進まない」と悩む保護者も少なくありません。しかし、本当にゲームは子どもを“バカ”にするのでしょうか? 本記事では、ゲームのメリット・デメリットを整理し、プログラミング教室がゲームとどう関係しているのかを解説します。
1. ゲームが与えるメリット
(1) 論理的思考や戦略性の向上
多くのゲーム(RPG、シミュレーション、パズルなど)には、戦略を練る面白さがあります。例えばターン制バトルで「どの行動を先に取るか」「リソースをどれに割くか」を考えるうちに、論理的思考や計画性を育む要素があるわけです。
(2) 空間認知力・反射神経のトレーニング
アクションゲームやレースゲームでは、素早い判断や空間把握力が必要。研究によっては、一定のアクションゲームが視覚認知力を高めるとの報告もあります。すべてのゲームが良いというわけではないですが、「時間を守りながら適度に遊ぶ」なら脳にプラスの刺激を与える可能性があるのです。
(3) ストーリーから学ぶ感情教育
RPGなどストーリー重視のゲームでは、キャラクター同士の葛藤や共感が描かれ、子どもが「他者の立場を想像する」体験をする場合もあります。これは道徳的・情緒的な学習につながることも。
2. ゲームのデメリット・リスク
(1) 長時間プレイによる生活習慣の乱れ
最も深刻な問題は、ゲームに熱中しすぎて睡眠不足や運動不足、宿題の放置など生活リズムが崩れること。親や教育者はここをしっかり管理・指導する必要があります。
(2) 依存・課金トラブル
オンラインゲームやソーシャルゲームの課金要素は、子どもが金銭感覚を失いがち。親がルールを設定し、子どもに責任感をもって利用させることが不可欠。
(3) 過度な暴力表現やコミュニティでのトラブル
一部のゲームにおける暴力表現や、オンライン上での誹謗中傷など、不適切な環境に晒されるリスクも。これらを回避するために、保護者の目配りやフィルタリングが必要です。
3. ゲームとプログラミング教育の関係
(1) 「ゲームづくり」が最高の学習プラットフォーム
多くのプログラミング教室で「自分のオリジナルゲームを作ろう!」という教材を使う理由は、子どもが自然と熱中し、試行錯誤を繰り返すからです。**「こういうキャラクターが欲しい」「こういう動きをさせたい」**という欲求が学習モチベーションとなり、結果として膨大な知識を吸収します。
(2) ゲームを分析する力=論理力
たとえば子どもがよく遊ぶゲームを**「どうやって動いているのか」「プログラム的にはどんな仕組みか」**を考えるだけでも、アルゴリズムやフロー制御の理解につながります。遊びを通じて「何が面白いのか」「バグはどう対処するのか」といった視点を得られるのです。
(3) 親がルールを作ることで学びを促進
ゲームの時間管理や課金制限など、親子で合意したルールを設けることで、子どもは自己管理力を養います。そして「ゲームを無闇に制限」するのではなく、**「プログラムを作ってみよう」「ゲームに関する勉強をしてみよう」**と促すと、自然とプログラミング学習への意欲が高まる場合も。
4. “ゲームはバカになる”を防ぐ方法
(1) 時間・用途を明確に
**“1日○時間まで”**など時間を区切り、守れない場合はペナルティを設定。子ども自身が納得する形でルールを作るのがポイント。
(2) 内容を選ぶ
暴力的、依存度が高いものは避け、学習的要素や戦略性があるゲームを選ぶ。親子で「このゲームはどういう学びがある?」と話し合うのも◎。
(3) 親も一緒に楽しむ
親が全く関与しないと、子どもだけの世界に閉じこもりやすい。親子で対戦や協力プレイをし、勝ち負けや攻略法を共有すると、ゲーム経験がコミュニケーションの材料になる。
(4) ゲームをきっかけにプログラミングへ
「そのゲームの仕組みはどうなってるの?」と興味を促し、スクラッチなどで類似のゲームを作ってみる活動につなげれば、遊びから学びへの橋渡しがスムーズになる。
5. 浜松市・湖西市の当教室の視点:ゲームはツールであり、活用次第
当教室では、ゲームを“悪”と決めつけず、むしろ「子どもが夢中になる素材」として活かしています。具体的には、
- 「ゲームを作る」カリキュラム: 子どもに大人気のブロック型プログラミングで、自分だけのオリジナルゲームを設計
- 学習会やイベント: 親子で人気ゲームのプレイ分析会を行い、「どうしてこのステージ構造は面白いのか」「動きはどうプログラムされてるのか」と考察
- 時間管理の指導: ゲーム依存を防ぐため、子どもと一緒に“プレイ時間”や“クリア目標”を設定し、そのあとは学習やロボット制作に取り組むメリハリをつける
こうした取り組みにより、子どもたちはゲームを通じて培う論理力や創造力をプログラミング学習に還元し、かつ、自分をコントロールする習慣も身につけています。大切なのは、「ゲーム=悪」と単純に否定するのではなく、“正しいルールと目的意識”をもって活用することだと考えています。
6. まとめ:ゲームは“バカになる”か“学びになる”かは使い方次第
「ゲームをするとバカになる」と昔から言われてきましたが、現代の研究や教育現場の実践は、必ずしもそうではないと教えてくれます。ゲームには論理思考や空間把握力を養う面があり、仲間と協力する場面も多い。むしろ親が適切にルールを設けたり、ゲームをきっかけにプログラミング学習へ誘導するなど、前向きに活かす方法がたくさんあります。
もし浜松市・湖西市にお住まいで、子どもがゲームに夢中になって困っているという方は、一度当教室の「ゲームを作るプログラミング体験」や「親子イベント」に参加してみてください。“遊び”を“学び”に変えるヒントがきっと見つかるでしょう。「どうせゲームしてるなら、自作ゲームで論理を学んだ方が楽しい!」と子どもたちが気づけば、ゲームへの姿勢や時間管理へのモチベーションも変わっていきます。
結局、ゲームは道具に過ぎません。使い方と向き合い方を工夫すれば、“バカになる”どころか“人生を豊かにする学びのツール”になり得るのです。